ストレスと不安について
今回は「ストレスと不安」をテーマにお話しします。まず不安についてですが、きのうまでに起こったことで不安になる人はいません。これから起こることについて不安になるわけです。心配ごとや恐怖はそのことを除去すれば何とか解決しますが、不安は漠然としていることが多いです。
例えば、あすの午前9時にお客様との大切な打ち合わせがあるとします。プレゼンテーションの準備は万全です。でも不安になる。
「打ち合わせの時パソコンが稼働しなかったらどうしよう」「出勤途中に電車が事故で動かなかったらどうしよう」「突然体調不良になったらどうしよう」・・・。
実際起きてみないと解決できないことを、あれやこれやと考え込んでしまう。心配性が過度になると、不安症の域になってしまいます。
このような症状がある人は責任感が強く、きちんと一つ一つの仕事をこなすタイプです。ただ、症状が現れると不眠を訴え、食欲が無くなります。仕事のストレスでも不安症が起きます。
これらの対処法としては「認知行動療法」が挙げられます。まずは不安な気持ちは何が起因しているのかを考えます。二つ以上のことがほとんどです。
不安症は「遺伝」も関係があるとされています。多くの実験結果から、人は、乳児・幼児の頃から「蛇は怖い」という感情を進化の産物として持っているそうです。
最近の研究では、ポジティブ反応を出す生体物質(セロトニン)を作る遺伝子は、人によって違いがあることが分かってきました。セロトニンを多く分泌する人は、不安や恐怖に対する反応が低くなる傾向があります。つまり、不安な気持ちは人によって反応の違いがあるのです。ですから、明るい将来を信じて、ポジティブシンキングになることが大切です。ポジティブに考えて行動することで不安な気持ちが和らぎます。
(湘南デザインCEO/産業精神保健機構理事長・松岡康彦)