かながわ経済新聞7月号に掲載されました。
経営者と感動力
今回は「感動力」についてお話しします。先日、吉永小百合主演の映画「いのちの停車場」を見てきました。そこには、職場同志愛や姉妹愛、夫婦愛、親子愛、幼なじみ愛、昔の恋人愛、郷土愛、患者への愛…。さまざまな愛があり、それらが一つ一つ丁寧に描写されており、まさに脱帽でした。久しぶりに、悲しみではなく、感動からの涙でハンカチを濡らしました。
もう一つ、映画の話です。1942年制作の「カサブランカ」です。ナチスドイツ占領下のパリと、仏領モロッコカサブランカを 台にした大人のラブロマンスです。カッコよすぎるハンフリー・ボガードと、美しすぎるイングリッド・バーグマンの配役、両者の目、顔、動きを観ているだけで魅了されます。さらに 本と時代設定から醸し出される白黒フィルムも、この映画を素晴らしくしています。
この映画のテーマも、同じく「愛」です。男女の愛、夫婦愛、同志愛、望郷の念からの郷土愛、国家愛などです。フランス国歌、ラ・マルセイエーズがかかるシーンは毎回、涙腺が緩みます。
さて、このような映画から言えることは、人に感動を与えるには、その根底に「愛」があるということです。もちろん、相手に対する、何気ない「気遣い」も欠かせません。普段の会話から、相手が思っていることや、好きなこと、欲しいと思っている品などを察し、後日忘れた頃にそっと届けられたらグッときます。社員や仲間などに対する「愛」があるからこそ、できるのだと思います。
何も高価な品である必要はありません。手紙やはがきだけでも気持ちは十分伝わります。経営者は「愛」を忘れず、感動したり、感動させたりする気持ちを忘れてはならないし、持ち続けてほしいと願っています。
湘南デザインCEO 相模原商工会議所工業部会副部会長 公認心理師