経営者と信用
経営者と信用は切っても切り離せない関係です。「常識でしょ」と、今さらと思う人が大半でしょう。でも、あえてお話しします。経営者に信用が必要なのは、法律以外の部分もあります。公式な立場や私的な関係のことです。法律面で代表的
なのは連帯保証人です。連帯保証人は私有財産の全てを保証するわけですから、かなり重いものです。
一方、法律以外の公的な立場における信用は、組織の役に就いたときから始まります。社長職はその代表例です。社長になったらいいかげんな発言は許されなくなります。もし、口から出まかせの発言をした場合は、社員のみならず、顧客や仕入れ先、銀行からも相手にしてもらえません。
外部組織の役に就いた時も同様です。会員や事務方との信頼関係が構築できることで、組織運営は円滑に進みます。
次に私的な関係における信用です。最も注意が必要なのは、人を紹介するときです。経営者は学生時代の友人のノリで人を紹介してはいけません。社会人、特に社長になってから人を紹介するということは、自分の信用力も一緒に伴って紹介することになります。
法律を伴う連帯保証人にはなりませんが、心情的にはそれに近いものがあります。このことを理解していない人が多いと思います。ですから、信用できる段階にまで至っていない人を紹介するのは避けるべきです。
私も少ししかお付き合いのない人を紹介し、相手から「松岡さんの紹介だから信用しました…」とクレームを受けたことがあります。自分自身に信用力、さらにいうなら与信力があるということを忘れてはいけません。人間関係、人脈作りに影響します。日々研さんをして自分自身の信用力、与信力を高めていただくことを祈っています。
(湘南デザインCEO/相模原商工会議所工業部会副部会長)