「葛藤」とは何か
皆さん明けましておめでとうございます。今回は「葛藤」についてお話しします。例えば、私たちは2つの中から1つを選択しなければいけないときに悩みます。具体的に言うと、転職をする際に、給料は高いが残業もあり結果しか重視しない会社と、自分にとってやりがいのある仕事だが、給料は安い会社。どうしたものか―。このような状態のときを指します。
レヴィンは葛藤を3つに分類しています。一番目は、ほぼ同等の魅力を持っている場合の「接近・接近葛藤」です。例えば、昼食時のA定食とB定食で迷う場合です。
分類の二番目は、できれば2つとも避けたい場合、でも1つを選択しなければいけない場合の「回避・回避葛藤」です。例えば、子会社への出向か、それとも遠方へ単身赴任か―。
そして三番目は2つが相反する場合の「接近・回避葛藤」です。例えば、魅力的な人で、結婚したいとは思っているが、お酒を飲むと酒乱であるなどです。
いずれの葛藤場面においても、心の緊張を高めるので、不安感やイライラが高まり、情緒的に不安定になる人がいます。また、行動特性としては、攻撃的な発言が出たり、短気な面が表出することもあります。さらに、集中力が下がり、落ち着きがなくなることがしばしば起こります。周囲の人たちが察し、理解してあげることも必要です。
(湘南デザインCEO/産業精神保健機構理事長・松岡康彦)