「相模原商工会議所会報」9月号に代表理事松岡の記事が掲載されました

「相模原商工会議所会報」9月号に代表理事松岡の記事「良い職場環境とは」(前半)が掲載されました。

良い職場環境とは【前編】

一般社団法人 産業精神保健機構
代表理事 松岡 康彦

良い職場環境をテーマに話したいと思います。どこの職場でも良い職場環境作りが望まれています。普通の民間の職場では仕事の前提となるのは、お客様に売り上げをして、仕入れ先に支払いをし、賃金を払い、間接費を払った残りが利益となります。この基本を社員の皆さんが共通して理解している所属会社、部課は共通目的集団といえます。この集団意識があり、良好な人間関係で業務遂行がなされていることが良い職場環境と言えます。
 厚生労働省が実施した「職場でのストレス調査」によると、複数回答ですがストレス発生のトップ項目として45%の人が人間関係と回答しています。良い人間関係の維持は親子、兄弟姉妹でも難しいです。ましてや血縁関係のない職場ではそれなりの工夫が必要になります。
 まず出勤前に家庭での問題が発生した場合は、1日の勤務に調子がでません。中でも多いのは夫婦げんか、子供の微熱、自身の二日酔い、頭痛、腹痛、下痢といった体調不良です。出勤前の気分と心の持ち方、体調管理が、良い職場作りの大前提となります。夫婦げんかは出勤前にしないのが一番ですが、そうもいきませんので、出社までに心の持ちようを切り替え変える術を習得することが肝要です。心理学的には認知行動療法の範囲となります。
 「夫婦げんかしたけど、大したことでない」、「まあ仕方ないな。仕事とは関係ないことだから」など、帰宅までこの気持ちは小休止にすると思うことが大事です。子供の微熱も心配ですが、何かあったら保育園から電話ある位に鷹揚に思わないと、子供が10才になるまで同じ気持ちを繰り返すことになります。
 二日酔い、腹痛、頭痛は自己管理能力が問われます。二日酔いは自己嫌悪感を発生させることがあります。
 アルコールから変化したアセトアルデヒドが頭痛、吐き気を伴って、身体に飲み過ぎだよと最大の警告を発しています。こうなったら午前中は仕事になりません。ほとんどの場合は午後3時になると嘘みたいにアセトアルデヒドが分解されて元気になります。どうしても午前中から全力の仕事をしなければならない時は、かかりつけの主治医に頼んで朝一番で点滴してもらうと即効性があります。
 以上で出勤前から引きずりそうなことを職場に持ち込むことは緩和されます。夫婦げんかもなく体調管理もしっかりして出勤することは賃金をいただくプロフェショナルですから、当たり前のこととして次に話を進めます。
(精神保健福祉士)
<次回号に続く>