かながわ経済新聞6月号に「松岡康彦の産業よもやま話」が掲載されました。
経営者と「趣味」
今回は、経営者と「趣味」についてお伝えします。これまでの私の社長経験から言いますと、経営者である以上、趣味が多彩であった方がよいと思います。
なぜなら、経営者同士や客先などでコミュニケーションを深めようとしたら、必ず仕事以外の話題になります。共通の趣味が見つかれば話は弾みます。その積み重ねが、やがて信頼関係へと発展することもあります。
「忙中閑有(ぼうちゅうかんあり)」という言葉をご存じでしょうか。多忙を極める中にもわずかな暇はあるものだ、という意味合いです。仕事に没頭する中でも趣味に時間を使うことは人脈作りにも役立ちます。
私の場合、昔から飛行機が好きでした。以前、取引先の大企業の資材担当者に同じ飛行機好きな人がいまして、互いに時間を忘れて話に夢中になった記憶があります。その人はやがて出世し、今はある大学の学長を務めています。無論、今でも付き合いがあります。
また、スキューバダイビングもやりました。ライセンスを取れば気軽に楽しめますが、以前、当社でスキューバダイビング機器メーカーのデザインを受注したことがありました。その時は、機器の使い方を知っていたため、発注元から安心されました。
そのほか、私は演劇や相撲、落語、講談、浪曲、美術館なども好きです。趣味の幅を広げれば、人生が豊かになり、人脈は必ず広がります。
よく「趣味のための生きている」と、仕事も中途半端にするサラリーマンの人もいますが、経営者は違います。限られた時間で趣味を楽しむからこそ、有意義になり、趣味での経験が仕事にも生きてくるのです。趣味も大いに楽しんでください。
(湘南デザインCEO/相模原商工会議所工業部会副部会長/公認心理師)