かながわ経済新聞12月号に「松岡康彦の産業よもやま話」が掲載されました。
決断力を身に付ける
今回は、経営者として「決断力」を身に付けるには、どのようなことが必要かをお話しします。まずは「経験値」が一番大事といえます。チャレンジして経験したことは生涯忘れません。たとえ成功しなかった経験値でも、価値は十分にあります。チャレンジしないで頭で考えたまま終わったことは、残念ながら、決断力を身に付けることには結びつきません。また、決断力とは、過去から続いていることと、これから起こり得ることを結びつけながら、時間軸を組み合わせて俯瞰(ふかん)して見る力でもあります。
時間軸を俯瞰する訳ですから「創造力(想像力)」が求められます。創造力とは無から有を生み出す力です。日ごろから頭脳を鍛えておかなければなりません。即席では、無から有は生まれません。「温故知新」で、過去にあったことを勉強するのも大切です。そのためには歴史で起こった事象を知ることが不可欠でしょう。しかし、ただ年代を覚えるだけではなく、時代背景と、当時の人々の気持ちがどうであったか、行動の原動力は何であるかを知ることです。そこまで歴史を読み解くと、決断力をつけるのに大変参考になります。
話は変わりますが、私は1702年12月14日の「元禄赤穂事件」を研究する中央義士会に所属しています。歴史的には「忠臣蔵」で知られています。討ち入りした47人の赤穂義士が下した決断は、320年たった今でも大変参考になります。
以上、決断力には「経験値」や「創造力」「温故知新」(歴史)が重要です。そして「教養」が必要なのは言うまでもありません。決断力はこれらを組み合わせて頭に湧いてくる力です。お正月お雑煮を食べながら百人一首を読んで文学の教養も養ってください。良いお年をお迎えください。
(湘南デザインCEO /相模原商工会議所工業部会副部会長/公認心理師)